2009年06月24日
しなやかにしぶとく

【程度の差こそあれ、大人になれば否応なく競争社会に投げ込まれます。
だから、甘い平等主義や理想主義など捨てて、子どものときから競争になれなくてはダメだ
と言う意見をよく聴きます。
果たしてそうでしょうか?
子どもたちは遊びの中で、友達とぶつかり合い、時にはケンカをし、仲直りしたり、
勝ち方だけではなく、負け方も学び、相手への踏み込み方や、距離のとり方といった
人間関係について学びます。
ところが、子どもの頃から競争社会に浸かってしまい、遊びの機会がなかなか得られないことが、
子どもの成長にも大きな影響を与えています。
相手の気持ちを想像することが出来ない。やっていい事と悪い事の区別がつかない。
その結果、たとえば、いじめなどもますます陰湿で、情け容赦ない ものになっているようです。
社会に出ても多様な価値観を認められる懐の深さが身につかないのではないか、
しなやかにしぶとく生き抜いていくための経験が不足しているのではないかと、
子どもたちの声に接しながら心配になります。】
これは、チャイルドライン(18歳の子どもが無料で掛けられる専用電話)の受け手という活動
を通して、子どもと接し、現在の子どもの状況に関心を持つ支援者の言葉です。
現代は『競争社会』『自己責任』『格差社会』・・・・と言われるなかで、大人にも余裕がなく
必死に生きている姿があります。
子どもの未来にも同様に『競争社会』が待ち構えているのであるのならば、尚更、
子どもたちには、しなやかにしぶとく生き抜いていく術を知ってもらいたいのです。
それには、子ども時代にどれだけ奥行きのある豊かな経験を積み重ねてこられたか・・・
ということに関わるのですね。
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今ある『競争社会』が、
“対他競争”(人を蹴落としてまでも自分が勝つ!生き残る!)ではなく
“対自競争”(自分の中での競争・・・向上心として、昨日の自分より今日の自分の方が勝つ!)
の上に成り立つ社会になる事を願っています。