2013年12月15日
母の着物

老いてなお、自分の希望により一人暮らしを頑張っている母。
そんな母のもとを訪れるたびに、モノに埋もれた生活を心配し
「一体この先どうするのだろう?この厄介な問題は、いずれ私たち兄弟を苦しめるであろう。
」
と溜め息が出て、気が滅入る思いでいたのでした。
そんな時『親の家を片づける』(主婦の友社)を読んで
「母の元気なうちに少しずつでも取り掛かろう」と
まず手始めに手掛けたのは、私の興味を持った着物の整理からでした。
遠方に住む母にお願いして着物を引っ張り出し、
日干しをし段ボール箱2つ分の着物や小物を宅急便にして送ってもらいました。
それはそれは、年老いた体には、堪える作業だったようです。
それもそのはず、3竿もある桐ダンスの中身は、いつ、どこで、どのようにして溜め込んだやら・・・
しかも、仕付け糸もそのままの帯や着物がぞ~ろぞろと・・・
旅館の女将か?呉服屋か?
ってほどの数の着物を所持していたのです。
その言い訳に母曰く、
「昔は、レンタルなんてものはなかったから、買うしかなかったんだよ」って。
でも、この数を着切れるほどの場面もなかったのであろうに・・・
結局、母の着物は丈も裄も私には短くて
お直しに出せば、一着4万~5万円はかかるであろうと・・・
ああ、あたしゃ、着物に埋もれて破産する。。。。
とりあえず、着られるものから工夫して着ることにしました。
工夫するためには、着物について学ばなければなりませんが、それがまた、深くて面白い。
着物の着付け、民族衣装としての歴史、働き着としての着物、織と染め、和装のマナー・・・・など
研究とまでは及ばずとも追求・探究をしたいと思い始めています。
そして、母の大切な思い出に彩られた着物と共に
これから先、60歳までの私の10年間を
『衣・着物』の追及をライフワークとすることにしました。