2013年03月17日
シカ男との遭遇

本日のトレイルは、11時スタートと遅出になってしまったため
『柏尾峠から竜爪山・ピストン』としました。
山に入ると、これまでと温かさが違う。日差しが違う。そして、匂いが違うとすぐに感じました。
春です。
草や木が芽吹き、山の獣たちが確実に動き出しています。
これまで、あまり見かけなかった排せつ物(うんこ)などを至る所で目にします。
明らかに木々の擦れ、たわむ音ではない、動物らしきものの声が上の方から響きます。
・・・猿?
とにかく、すべてが息づき始め、動き出したぞ!!!
『熊さんは、冬眠から覚めたかしら?』
と、心配しながらも、何度か走っている道なので、少し余裕のトレイルです。
しかしながら、9日のフルマラソンでの後遺症である、右ハムストリングスの痛み、ツレ、痺れは
一向に良くなっていないことに気づき、がっかりもしました。
今週末、23日には『伊豆大島ウルトラ100㎞』を走ります。
その結果によっては『川の道・フル』を断念しなければならないのではないか・・・とも考えています。
故障個所を気遣いながら、焦る気持ちを振り払い
『今日は、焦らずゆっくり景色とトレイルを楽しもう!』
と決めました。
到着した穂積神社・竜爪山は、日曜日の今日、沢山の登山者たちで賑わっていました。
私も一緒になって、賑やかしく、やりたかったのですが、時間に余裕がありません。
『爆弾』(直径10㎝程の球形・ソフトボール大)と名付けた握り飯を1個お腹に収め、
スグにピストンで飛んで返しました。
帰りは、下り。
いい調子で、気持ちよく走って帰ります。
ところが、「行きは良い良い 帰りは怖い 怖いながらも通りゃんせ 通りゃんせ」なのでした。
柏尾峠まであと10分というところで、事件(?)は起こりました。
トラバース道を気持ちよくカーブし直線コースになった途端、目の前に大きな物体が!!!
反射的に
うわッ!!!
と、大きく叫んでピタリと止まりました。
すると、大きな物体もすわッっと後ろに飛びのきました。
それは、ニホンカモシカ 特別天然記念物さまでした。
「ニホンカモシカは人に危害を与える動物ではありません。
ほとんどの場合、人を見かけると、その場から立ち去ります。」
というのですが、シカ男(名前を付けてみた)は、一向に立ち去る様子もなく
その場でにらめっこ。
その距離は、わずか、3メートル。
どうしよう。
脅かして襲い掛かられてもしょうがないし、、、、、
そこで、
笑顔を向けてみた。
首をかしげてみた。
財布の鈴をチロチロと鳴らしてみた。
少し後ずさりしてみた。
それでも、シカ男はピクリとも動かないのです。
「通せんぼかよ。
じゃんけんぽいって、してみようかな?
minoのワイルドヘアーをもっと膨らませてみるかな~?・・・」
などといろいろ考えてみましたが、
「ここはシカ男の縄張りだ。私が退くしかないのだ。それが、礼儀ってもんだろう。」
と気づいたのでした。
仕方がないので、来た道を少し引き帰し、カーブの向こうに隠れるようにして5分ほど待ってみました。
そして、そろりそろりと、シカ男の姿を確かめようと前に出てみたら、シカ男はいなくなっていたのです。
「はは~~~ん。音もなく消え去るなどと、さっすが、特別な天然記念物さまだな。」
と馬鹿なことを考えていたのですが、何やら頭の上に強~~い視線を感じ、見上げると、、、、、
シカ男ッ!!!!
私の上に回って、下にいる私を見下ろしているではありませんか。。。。
『シ、シカ男。。。
それは、脅しか?
それとも、おともだち作戦か?』
と、心の中で尋ねてみた。
でもよく見ると、可愛い顔をしている。
耳が円くて眼がでっかくて、愛嬌がある。
ここは、勇気をもって前進しよう。
『私は、あなたの敵ではない。あなたは、私の敵ではない。はい、ごめんなすってよ、へいさっさ。
私は、あなたの敵ではない。あなたは、私の敵ではない。はい、ごめんなすってよ、へいさっさ。』
と心の中で唱えながら、下を向き、ゆっくりゆっくり歩いてシカ男の視界から外れて行きました。
後は、脱兎のごとく、一気に柏尾峠に向かって、転がるように走り抜けたのでした。
私は、愛玩動物を手名づけるのが上手く、ムツゴロウさんの弟子にもなれるのではないかという自信もあったが
野生動物となるとムツゴロウさんどころか、無知ごろう の私は、
これからの季節、もうちっと勉強して山行きに臨まなければと思いました。
シカ男よ、次に会ったら、じゃんけんしようね。